半「こんにちはくないさん。

今日は食堂のお手伝いだったんですね。いつもありがとうございます。
今日はBランチを頂こうかな。まだ残っていますか?」


(お昼時の混む時間が落ち着き、ちらほらと来る人たちの対応をしていると、は組の補習を終えた土井先生がやってきた)
(今日のAランチの小鉢にはちくわが入っているため、先生はBランチを選ぶと思っていたが、あいにく本日分のBランチは全てはけてしまっていた)


半「うぐっ…!!やっぱり唐揚げは人気ですよね…
うう…また食堂のおばちゃんと格闘しなきゃ………ん?」


(こうなると思って、ちくわの代わりに一人分こっそり作っておいたきんぴらの小鉢を「おばちゃんには内緒」と言って出すと、先生が目をまるくして顔を上げた)


半「くないさん?…もしかして、私のために?
ありがとうございます!助かります…!」


(先生はとても嬉しそうに笑って、きちんと手を合わせ「いただきます」と言って食べ始めた)


し「あれ?きんぴらごぼうの匂いがする!」

お「え?あたしきんぴらなんて作ってないわよ?」

半「え?
(これ、もしかしてくないさんの…手作り!?
持ってかえりたい…しっかり味わって食べないとな)」



利「おばちゃん、こんにちは。すみません、お茶をいただけますか?
あれ?くないさんは…」

お「あら利吉くん、くないちゃんに会いにきたの?
ごめんなさいねぇ、さっきおつかいに出てもらったのよ」

利「そうでしたか…あ、土井先生こんにちは。
今日はサバ煮定食ですか。
…美味しそうですね、そのきんぴら」

半「利吉くんはどうしてそう勘がいいんだい?」


(きんぴらに何かを感じたらしい利吉からさりげなく小鉢を守りながら、ごま一粒のこさずしっかり完食した土井先生なのであった)
食堂を手伝う