(なんとなく眠れなくて部屋の外に出てみると、夜間見回り中の土井先生と出会った)


半「こんばんは、くないさん。
おや、眠れないんですか?

そんな日もありますよ。

そんな時は、気分転換に空でも眺めてみるといいですよ。

ほら、見えますか?あれが北極星です。
ここは山奥だから空気が澄んでいて、星が綺麗に見えるでしょう。」


(先生は縁側に座るあなたの隣に腰を下ろすと、手元の火を消して空を見上げた)
(今夜は月も明るく、手元の灯りがなくても周囲が見える)
(周囲の星座の説明をする土井先生を見上げると、月明かりに照らされた端正な顔立ちが眩しく見えた)



半「どうですか?たまにはこうしてゆっくりするの、も………。


はっ!
す、すみませんぼーっとしてしまって!

その、くないさんの瞳に星が映り込んで…きらきらと、とても綺麗だったものですから…
本当に、吸い込まれそうだ。」


(そっと顎に手がそえられた)
(眩しそうに目を細めた土井先生の顔がゆっくりと近づいてくることに気がついて慌てると、くすくすと笑いながらぱっと離れていった)


半「ごめんなさい、急すぎましたね。

どうですか?少しは気分が晴れたでしょうか?
明日も早いでしょうから、そろそろ部屋に戻りましょうね。

それじゃ、おやすみなさい。」


(ふわりと笑った先生が部屋の戸を閉めたあとも、当然しばらく寝付けなかった)
(逆効果だったようだ)
眠れない