(目を覚ますと板張りの天井が目に入った)
(確か食堂で後片付けをしていたはず。ここは…)
伊「あ、気がついたんですね!よかった…
意識はハッキリしてますか?僕のことがわかります?」
(どうやら医務室の布団に寝かされているようだ)
伊「ああ!だめですよ。頭を打っているかも知れないのでまだ寝ていてください。
無理が祟ったようですね。軽い貧血と疲労です。
鉄分補給の薬湯を煎じたので飲んでくださいね。
今左近がおばちゃんに栄養のあるものを作ってもらっていますから、しっかり食べて。
ちゃんと食べていますか?
事務の仕事に食堂の手伝いに、果ては僕ら委員会の手伝いなんかもやって…くないさんが休んでいるところをほとんど見ないですよ。
とても助かってはいますが、それであなたが体調を崩しては誰も喜ばないでしょう?
今日は無理しないで、ゆっくり休む日ですからね。おばちゃんにも吉野先生にも伝えてあります。
お2人ともむしろ休まないあなたを心配しているようでしたよ。
僕が見張っていますから、ちゃんと寝ましょう。
女性はどうしても貧血になりやすいので、意識して鉄分をとるようにしてくださいね。
どういうものがいいのか分からなければ、食堂のおばちゃんがよくご存知ですから聞いてみてください。僕もある程度ならアドバイスできるかと思うので。
え?ここまでですか?
土井先生ですよ。前にあなたが怪我をされた時より顔が真っ青で…土井先生の方が心配になるくらいでした。
明日にでも元気な顔を見せにいって差し上げてください。本当に心配していたようですから。ね?」
(伊作の煎じてくれた温かい薬湯(苦い…)を飲むと、じんわりと広がって身体の芯から温まっていくような感覚がした)
(今日は少しだけ休ませてもらおう)
倒れる