(なぜか甲板に連れ出された)


来たか……

(来たかもなにも(手を引かれて)連れてこられた)

世間では現在、バレンタインという催しが行われているのを貴様も知っているだろう。
万が一、お前が詳しくない事や、誤解をしている可能性を考慮してバレンタインとは何か、軽く話しておこうか。

事の始まりは様々な説があるが、今回は省略しておこう。気になるなら自ら調べるてみるといい。無論、寝物語として私が話してやっても構わない。
過去の一般的な認識では、女性が好意を寄せている男性に向けて想いと共にチョコレート菓子を贈っていたのが主流だった。
しかし、現在ではそれだけではなく、同姓へ贈る友チョコなるものが現れ、昨今では逆のパターン…男が女に贈ったり、男同士で送り合う場合もあるそうだ。
無論、そこには数多の想いがあるだろう。明かせぬ恋心や感謝の念。
……中には怨念めいた物もあるかもしれないな。


さて……ここに呼び出したのは他でもない。
我がカランドの盟友であり、我が友であり、そして……いや、今はまだそうと決まった訳ではなかったな。
フッ………


まあいい。
受け取るがいい。


(高級感のある包装が施された箱を貰った)

お前の察しの良さならば検討はついているだろう。
チョコレートだ。

本来ならばもっと大きい物か、数を用意したい所だったのだが、エンシアからこういう事は大きさや量より質だと(呆れられながら)言われてな……ん?エンヤからは何も言われなかったのか?
あれは余り私と話そうとしないからな。今回も特に何も言わずに見ているだけ(信じられない物を見るような目だったよ…:クリフハート)だった。

…こういう場合、気持ちをしっかり伝えたいのならばやはり手作りがいい、とエンシアから助言を受けて、拙いが私の手づから作ってみた。
……エンヤか?やはり何も言わなかった(呆れたような目で見ながら鼻で笑っておられました:配下一同)な……

味については心配しなくても大丈夫だ。
元よりそれなりの物は作れるし、ヤーカから合格(及第点です。少なくとも食べて問題はありません。好きな人は好きでしょう:マッターホルン)は貰っている。
それと、これはエンヤとエンシアからだ。
そもそも手作りするきっかけは、せっかくだからみんなで手作りしようとエンシアが言い出してな。
二人と何かをするなど、幼少の頃以来だろうか…まして料理など初めての事かもしれない。これもお前のおかげと……何?二人はどうだったか?
…楽しそうにしていた。エンヤの何も縛られていない笑顔(まさかあのような事を大真面目にするとは(貴女もなかなかでしたよ:イェラ)思いませんでした:プラマニクス)を見たのはいつ以来だろうか…まさか私が、人並みの幸福を享受する機会が、まだあろうとはな。

……そうだな、今度は共にやってみるのはどうだ?
お互い多忙な身の上だが、お前のためならばいくらでも時間を作ろう。考えておけ。

それと、ホワイトデーも期待しておくがいい。


(あとでホワイトデーについて教えてあげた)

名前:ススーロ
ドクターを61回休憩させた



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