(袋の中にはピアスが入っていた。

このピアスは…燈矢くんがつけていたピアス?)

「それ、俺のお下がり」

『おさがり…』

「うん。俺が長く使ってたやつ。
ああ、ちなみに今つけてるのは新しく作ってもらったやつだぜ。


○○ちゃんにお揃いのものや俺が使ってたものを贈りたかったんだが……はは、こんな物しか用意出来なくてごめんな?」

俺が荼毘として生きてきたものを○○ちゃんに貰ってほしかった。
別に身につけなくてもいい。
ただ彼女に持っていてほしいと思った。
  

『ううん!このピアス、貰えるとは思わなかったから嬉しいよ!

ありがとう、燈矢くん!肌身離さず持ってるね!』

昔と変わらない、俺の大好きな笑顔で渡したピアスを大事に抱える○○ちゃん。

あー…敵わねえなァ…

○○ちゃんといる時だけは、あいつらへの怨嗟の炎が少しだけ小さくなる。

どうしようもなく○○ちゃんが好きだ…

愛しい気持ちでいっぱいになり、思わず○○ちゃんを抱き締める。




この子を誰にも渡したくない。
連合の奴らだろうがヒーロー共だろうが…誰だろうと嫌だ。

○○ちゃんには、俺を過去にしてほしくない。
俺以外の人のものにならないでほしい。
俺だけを見て俺だけを想ってほしい。

俺のなんだ…君だけは、俺の……



俺に愛されて可哀想な○○ちゃん。

でもごめんな…逃がしてあげる気はないんだ…


愛してるぜ、○○ちゃん。