一度家に帰り、動きやすい服に着替えてから瀬古杜岳に向かう。
なんか朝から疲れちゃったな…けど個性訓練はやらなきゃ。


瀬古杜岳に着くと、先客がいた。

あれは…


「○○ちゃん!」

『こ、こんにちは燈矢くん!』

…?
なんかいつもと様子が違う…?
俺の気のせいか?○○ちゃんが緊張しているように見える……

「今日は早いんだな○○ちゃん」

『うん…早く燈矢くんに会いたくて…』

「俺に早く会いたくて?それで早く来たんだ…」

○○ちゃんの言葉に自然と口角が上がる。
嬉しいな…

『あの…燈矢くん…』

「ん?なに?」

『あのね…』

○○ちゃんはそこから言葉を発する事なく黙り込んでしまった。
どうしたんだろう…顔が赤い気がするけど…もしかして熱でもあるのか?

「○○ちゃんちょっとごめんね」

こつん、と自分の額と○○ちゃんの額を合わせて熱を測る。
……良かった、熱はなさそうだ…。

あれ?
○○ちゃんの顔がさっきより赤い?

「だ、大丈夫か○○ちゃん!?顔真っ赤だ!!」

『燈矢くんが急にあんな事するから!か、顔近過ぎて…』

○○ちゃんに言われてはっとした。
な、なにやってんだ俺!?
冬美ちゃんや夏くんにするみたいな熱の測り方を○○ちゃんにやってしまった…今さらだけどすごく恥ずかしい!!
じわじわと顔が赤くなっていくのが、鏡などを見なくても分かった。

そんな俺を見て○○ちゃんはくすくすと笑い出した。
可愛いなぁ…じゃなくて!

「わ、笑うなよ!」

『ごめんね、燈矢くんが可愛くてつい…ふふ。』