懐かしい夢を見た。
街を歩きながらふと思い返す。

○○ちゃんと出会い、○○ちゃんと仲良くなって、○○ちゃんを好きだと自覚し、彼女とさよならをして……荼毘おれが生まれた時の夢。




俺は○○ちゃんが何処にいるのか知らない。

あの後、○○ちゃんを探したが彼女は見つからなかった。
共通の知り合いもいなく、あれから10年経つけど○○ちゃんとは会えないままだ。
生きているのか死んでいるのかもわからない。
けどおそらく死んではいないはずだ。鈍臭いところはあったが簡単に死ぬ女じゃねえはずだ。

『ちょ、や、やめてください!』

「へへ、いいからいいから」「お姉さんちょーっとあっちで俺らと遊ぼうよ」「お姉さん可愛いね〜」

1人の女を3人組の男が路地裏に連れ込んで行った。
女の顔は見えなかったが、酷く怯えているのが声色でわかった。

「ああ、本当…しょうもないゴミが多いな…」

別に女を助ける気なんてない。
なんの志もなくただ生きるどうしようもないゴミを燃やしたくなっただけだ。
だから俺は女とゴミ共が消えた路地裏に足を踏み入れた。