(外には黒い車が用意されていた)


(運転手の人は荼毘に気付くと車の後席のドアを開けて迎えてくれた)

(荼毘と一緒に後席に乗り込むと荼毘は私に寄りかかってきた)

………。

(なんか表情が暗いような…)


(車が発進した)


……はあ…

(やっぱり表情が暗い…眉間に皺が寄ってる。


あ、そういえば荼毘って車酔いするタイプなんだっけ!)


…………。

(荼毘大丈夫?)

……平気。

(そうは見えないけど…)

俺の事は気にしなくていい。
おまえは外の景色でも楽しめ。

(そんな事出来ないよ…
あ、この車広いし荼毘ちょっと寝転びなよ。
お膝貸すよ?)

………いらねえ。
おまえの服、シワになっちまう。
それ…頑張ったんだろ?
シワになったらもったいねえ。

俺は良いから…肩だけ貸せ。

(荼毘…)

(確か車酔いに効くツボがあったはず…
スマホを取り出してそれを調べた後、荼毘の手を取りツボを押してみた)


何してんだよ…車酔いに効くツボ?
はは…わざわざ調べたのかよ…本当○○ちゃんは優しいな…

ありがとう…ちょっとは良くなった…

(良かった…)