(簡単な使いの筈だった。比較的に安全な道を通り、人里に到着ーーこれが何時もの流れだ)
……。
(むしろ貴方をわざわざ狙う妖怪は中々居ない。少なくとも貴方の事を知る妖怪なら)
……グルル
(妖怪は貴方を見て涎を垂らしている……知性の欠片も無さそうだ)
……!
(妖怪は貴方に牙をーー)
帰りが遅いと思ったら……。

(ナイフが降りかかり、妖怪を滅多刺しにしていく。妖怪からすればいきなりナイフが現れ、襲い掛かって来たように見えた筈だ)
まだ居たのね。私達ーー紅魔館に喧嘩を売ろうなんて馬鹿が。
(咲夜は貴方に隣に降り立ち、もがき苦しむ妖怪を見下ろす)
無益な殺生は控えろと言うお嬢様の指示だけれど……見せしめは有益と分かって下さるわ。
(貴方は自分は無傷だから……と咲夜を宥める)
……行け。次は無い。今度はお前だけではなく。友人、家族、お前の全てが報復の対象だ。
(咲夜が冷たく言い放つと妖怪は怪我を庇いながら立ち去っていく)
……やっぱり、貴方を一人にするべきじゃ無かったわ。
(咲夜で良かった。これがフランならここら一体が焼け野原になるだろう)
次からは私も行くから。
(貴方はそれではお使いにならない、っと苦笑するのだった)