ジョルジュ「…というわけで、アストリアとミディアはその時から恋仲になった。
オレとミディアを結婚させるつもりだったオレの一族連中は激怒したが…
こればかりは気持ちの問題だからな。」
クリス 「そんなことがあったのですね…」
ジョルジュ「だから、オレだけ未だに一人身だ。
どこかにオレを慰めてくれる良い女がいればいいんだがな…」
クリス 「またそのような…あなたの浮名はいくつも聞いています。
軽薄な人だとまわりに思われてしまいますよ。」
ジョルジュ「ははっ、そいつは困ったな。」
クリス 「でも、あなたはそう思わせたい…のではありませんか?」
ジョルジュ「…ん?」
クリス 「あなたと会った人は…その美しい見た目と
名門貴族という肩書きに目を奪われがちです。
しかしあなたの戦い方は、どこか計算されたものを感じます。
戦いは何より人を表す、それが私の祖父の教え。
あなたは、本当はとても知略に長けた方なのでは…?。」
ジョルジュ「オレが?何故そんなことを思った?」
クリス 「カシミア大橋で、私たちがあなたを説得した時…
あれは、あなたの計算通りだったのではありませんか?
城の守りをハーディン皇帝に命じられている以上、あの場から動かない名目は立つ。
しかも、私たちアリティア軍から見ればあの位置の弓兵は脅威ではない。
そして、あなたはもともとアリティアとかかわりが深く、
ゴードン殿に弓を教えていたお立場…
ジョルジュ「…買いかぶりだな。オレはそんなたいそうな人間ではない。」
クリス 「さらにさかのぼって考えれば…ラング将軍の城の前で
あなたが動かなかったのも、その布石…部下がいる以上
マルス様へ寝返ることはできない、しかしマルス様とは戦いたくない…
敵であるアリティア軍へその意思を伝えるためにあえて動かなかった…
その行動は後のカシミア大橋で私たちがあなたを説得する行動へつながり、
またハーディン皇帝の怒りを買って、城の防衛を命じられることへもつながった…」
ジョルジュ「……」
クリス 「もしここまで計算づくなら…あなたには驚かされるばかりです。」
ジョルジュ「…買いかぶりだな。たまたまそうなっただけのこと。
だが…たとえオレがそう読んでもその策は…アリティア軍の協力がなければ成立しない。
お前たちが賢明だと信じることができたからこそ、だ。」
ジョルジュとクリス2