クリス「はっ!はっ!はぁっ!」
カイン「よし、ここで小休止だ。
良いぞ、クリス。
お前はどんどん力をつけている。」
クリス「はい、カイン殿の
ご指導のおかげです。」
カイン「だが、気は抜くな。
これからも
厳しい訓練を課していくぞ。
そこで得た力で、
マルス様をお守りするのだ。
クリス、お前には…
おれのような悔いを
味わってほしくない。」
クリス「カイン殿?
悔いとは…」
カイン「お前には、
話しておかねばならんな。
かつておれは、
マルス様のお父上を
守れなかった…
前の戦より数年前…
暗黒竜メディウスが蘇り、
世界に災いをもたらしていた頃、
メディウスを討つべく
先王コーネリアス様は出陣した。
おれもその傍らにあった。
だが、戦は敗北…
コーネリアス様は戦死され…
おれは王城へ敗走した…」
クリス「……」
カイン「守るべき主君を失って、
おめおめと生き延びる…
騎士としてあれ以上の屈辱はない。
マルス様に
お父上の最期を報告する時…
おれは…」
クリス「カイン殿…」
カイン「…すまん。
おれはお前には…
同じ思いをしてほしくない。
この先、マルス様やお前が
倒れるようなことがあれば、
それはおれの責任だ。
だから、クリス。
おれは全力でお前を鍛える。
おれの無念、おれの思い…
お前なら全て受け止めてくれる。
そう信じている。」
クリス「はい…カイン殿!」
カイン「よし、では訓練を続けるぞ!」
カインとクリス3