クリス 「ウルフ殿、お待ちください。」
ウルフ 「お前は?」
クリス 「アリティア騎士 クリスと申します。マルス様の近衛騎士です。」
ウルフ 「クリス 、聞かぬ名だな。」
クリス 「はい。私はまだ若輩の身ですから。
狼騎士団の長ウルフ殿…ジェイガン様からおうわさはかねがね。
ハーディン皇帝配下で最強と名高いオレルアン騎士団…
隊長のあなたは、前の戦争でも最強の名に相応しい圧倒的な強さだったと。」
ウルフ 「……。軟弱なアリティア騎士ごときに、戦いで劣るつもりはない。
それに…誤解するな。狼騎士団の力はおれ一人のものではない。
戦場でおれを補佐してくれたザガロ、それにビラクにロシェ…
何より、ハーディン様が…あの方がいたからこそだ。」
クリス 「……。ハーディン皇帝のことは…その、なんと申し上げれば良いか…」
ウルフ 「…無用だ。ハーディン様のお心はおれたちが知ってる。
おれはハーディン様を過ちに導いた元凶の全てを討つ。それだけだ。」
ウルフとクリス1