…、…。

(普段誰も来ない応接室の隅に隠れていたら、部屋に入ってきたセイと目が合ってしまった)
(互いに言葉を交わすことなく、彼の方から視線を逸らし立ち去っていった)
(そっとしておいてくれるということだろう)
(辛いことを思い出し、また涙が流れてくる)
(ひとりになりたい半面、誰かに慰めてもらいたかったのかもしれない)
(次第に泣き疲れてしまい、自室に戻るため廊下に誰の気配もないことを確認し扉を開ける)