(オミから聞いていたように、きんた…きんぎょく堂の前には、華美な衣装に身を包んだお金持ちのマダムたちが居た)
(彼女らのほとんどは商品には目もくれず、店の奥へと群がっている)
(あの中に割り込むのは気が引けるが、このままでは偵察もままならない…)

(考えあぐねていると、マダムたちの黄色い声が次第に大きくなってきたように感じた)
(もしかして店主が外に出ようとしているのでは…?)
(勇気を出して店の前に立つと、彼女らより頭一つ分背の高い男性の姿が見えた)