(草木も眠る丑三つ時)
(物音を立てないよう細心の注意を払い続け、ついには誰にも気づかれず玄関の扉を閉めた)
(日中と変わらない空模様だが、いつも見える街明かりは数えるほどしか付いておらず、若干の心許なさを感じる)
(北側へ行けば再びがしゃどくろに襲われるかもしれない)
(南へ下山すれば野盗等に遭遇する可能性もある)
(このような真夜中、おそらく誰も助けに来てはくれないだろう)
(けれど今は皆の居ない場所へ行きたい気分だった)

……ねえ、