(セイの修行中、泥棒の如く彼の部屋に忍び込み箪笥の引き出しを開ける)
(目に入ったのは普段着ている灰青色の服だったが、これはチャイナドレスっぽく彼シャツとはいえない)
(他の服もノースリーブだったり丈が短かったりと条件を満たしていない)
(まず箪笥の中は断捨離したように中身がなく、そもそも選ぶほど服がない)
(いったん休憩にしようと布団に寝転ぶと、枕元に畳んである寝巻きがふと目につく)
(カンフー調の長袖中華服なら"ぽい"だろうか)
(上下の服を脱ぎ、ぶかぶかの袖に腕を通してみる)
(お尻まですっぽりと隠れていて、まさに彼シャツといえるだろう)
(鏡で自分の姿を見てみたいが、生憎セイの部屋には姿見がないようだ)
(この姿で部屋の外へ出るのは気が引けたが、せっかく着たのに目に焼き付けられないのは勿体ない)
(再び気持ちをドロボーモードに切り替え、抜き足差し足で扉へと近づく)
(
ガチャ)