(ナキに着せ替えにんぎょうにされ男物の服を着ていたこの日、ジユはなかなか練習場へと姿を現さなかった)
(痺れを切らして街へと下りると、こちらへ歩みを進める彼を視界にとらえた)
(妖だかりでちらりとしか見えないが、隣には女性とおぼしき姿もある)
(密着こそしていないものの、噂通りの素行ならば彼女と一夜を明かしたのだろうことは想像に難くない)
(気軽そうに話している姿に、練習時以外の彼など微塵も知らないのだと自覚させられた)

僕というものがありながら酷い!