(草木も眠る丑三つ時)
(妙に目が冴え寝付くことができず、やむなくセイの部屋を訪ねることにした)
(もちろん約束などしてはいないが、彼ならば叩き起こしても受け入れてくれるような気がした)
(ガチャ)
(……)
(ノックをするまでもなく扉が開き、いつもと変わらない様子でごく自然に出迎えられた)
(隣部屋のツキに配慮し物音を立てずここまで来たというのに、なんという察知能力…)
…好みかどうかは分からないが、黒ごまラテというものを用意しておいた。
ごまは睡眠の質を向上させ、温めた牛乳には鎮静効果や入眠作用が期待できると聞いたことがある。
(テーブルには湯気の立つカップが一つ用意されていた)
(出迎えるだけでなくお茶まで用意しているとは)
(監視でもされていたのではないかと思うほど察しが良すぎる…)