あの、話ってなに?

(ユラの使いでひとり商店街を歩いていると、風に乗ってどこかから聞き慣れた声が耳に入った)
(風上である裏路地を覗くとそこにはツキと、見たことの無い女の子が居た)
(ふたりの関係性は分からないが、雰囲気からして告白のようだった)
(女の子が聞き取れないほど小さな声で喋ったのち、ツキの表情が驚きに変わる)

え!?あっ…、

(さらに女の子が喋り続けているのか、ツキが大きな目を見開いたまま固まっている)

…ありがとう。そんなに分かりやすかったかな…。

(女の子につられて頬を染め微笑むツキは、いつもと違う雰囲気を醸し出していた)
(その後も断るような言葉は聞き取れない。もしかしたら、もしかするかもしれない)
(使いの途中であったことを思い出し、後ろ髪を引かれる思いのまま目的地へと向かった)

さっき商店街の路地裏にいなかった?