ったく、どうしてこんなところに挟まるんだよ…!
(万華堂で骨董品を物色していたら、いつの間にか足が棚と品物の間に挟まってしまっていた)
(なんとかオミを呼び引っ張り出してもらおうとするも、痛くてたんまばかりを繰り返している)
ちったぁ我慢しろ!千切れたりしねぇから!
それに俺はお前より隣の壺の方が心配だ。それすげぇ高かったんだぞ。
傷の一つでも付けてみろ。倍の値段でユラに買い取ってもらうからな。
ハア…そろそろ再開するぞ。
(もう一度腕を引っ張られ、今度は我慢しようと唇を噛みしめる)
(腕も足ももげそうで限界だと言おうとした時、棚の奥で何かが蠢いた)
(小さい体に小さい耳…ネズミ!!!)
うおっ!!?
(ちゅっ)
(勢いよく足を引いたらするりと抜け、勢い余ってオミにキスしてしまった)
(彼の背中に柱があったおかげで支えられ、ふたりとも転ばずに済んだ)
いってぇ…老体に鞭打つのやめろよな…。
…さっきのは小玉鼠だな。普通のネズミみたいな害はねぇよ。
……おい、口っ!
(くち?と自分の唇に手を当てると、少しだけ血が出ていた)
(舌で舐めると歯の形に傷が出来ていた)
(オミが怪我をしていないところをみると、最後のふんばりの時に噛みしめすぎたのかもしれない)
バカっ、そこまで痛かったなら言えば良かっただろ!
…急かしたり我慢させるようなこと言った俺も悪いけどよ…。
確か奥に軟膏があった気ィするけど、唇に使えるのか…?
(顎に指を置かれ傷口を観察される)
(オミの顔が近く恥ずかしくなり目線を逸らすと、彼の顔が近づいてきて…)
(ぺろ、)
…っ血が垂れそうだったんだよ!
キスの一度や二度、変わんねぇだろ…。
(ボリボリと頭を掻きながら弁解するオミは、今まで見たことが無いほど顔を赤らめていた)
顔を真っ赤にしながら唇を触るもう唇洗わない…(血たらー)もっと!も一回お願いします!