オミ:ばっ…んなバカでけぇ声出さなくても聞こえてるわ!!
お前こっち来い!営業妨害だぞ!!

??:オミちゃんや。

オミ:!!っ…か、会長…。

(会長と呼ばれたその妖は、妖狐とは異なり全身毛むくじゃらの猫だった)
(オミや周囲の雰囲気が変わったことからも分かるように、かなり上の立場の妖なのだろう)
(金色の切れ長な目が、オミとこちらを交互に見やる)

会長:最近万華堂に若い女子が出入りしてると聞いたから来てみれば…噂は本当だったみたいだねぇ。

オミ:す、すんません!会長のお膝元で騒いじまって…!

会長:いんやぁ、そんなことはどうでもいいんよ。それより…、







嫁入りの予定はどうなっているんだい?

オミ:は?…嫁…?

会長:とぼけなさんな。お前さん達の祝言はいつかと聞いとるんじゃ。

オミ:いや俺たちは別にそういうんじゃ…。

会長:尻込みしとる場合じゃなかろうて。
いい歳して子のひとりもおらんと遊び呆けおって、先代の泣きっ面が見えるわい。

オミ:いや猫又のばーさん。尻込みとかでもなくってよ、

会長:お嬢ちゃん、こんな行き遅れの男を好いてくれてありがとうねぇ。
衣装なんかはうちの呉服屋で揃えたるからね、日取りが決まったら教えておくれ。

(しわしわの肉球でこちらの頭を撫で、ゆっくりとした足取りで去っていった)

オミ:…お前のせいで外堀が完全に埋まっちまったじゃねーかよ…。

(オミは一気に疲れたのか、脱力したような表情をしていた)

婚礼衣装のオミ絶対かっこいい…
式はいつにする?