(面が外れたり壊れたりしてはいけないと、普段から相手にぶつからないよう歩いていたつもりだった)
(それなのに前からやってきたガラの悪そうな妖が道が空いているというのにこちらに近寄ってきて、わざととしか思えないようなぶつかり方をしてきた)
(反動で尻もちをついてしまったけれど、不良も痛がっているような素振りを見せた)

不良:オイ!どこに目ェ付けてんだよ!

(その後も肩が外れただの首が痛いだのと文句を垂れ続ける)
(ぶつかってきたのはそっちだと伝えるも、十倍返しと言わんばかりに罵倒が返ってきた)
(話の通じない相手に周りを確認するも、見てみぬ振りをされ助けすら求められない)
(万華堂まで走ればすぐだ。けれどその前に捕まってしまえば何をされるか分からない)
(聞いてんのかと胸倉を掴まれ、振り上げられた手に反射的に目を瞑る)



??:おい。