なんだよ、接客中はあんま構ってやれねぇって…ッどうしたんだよその傷は!
っすんません!ちょっとガキの手当てしてきますわ!
(血の止まらない指先を見せると、彼はこちらの体を抱き上げのれんの奥へと連れて行く)
(足で器用に引き戸を開け、洗面台の前ですとんと下ろされる)
(流水で血を洗い流すも、水から取り出すと血がにじむような状態だった)
傷自体は小せぇが、ちっとばかし深く切ってんのかもな。
しばらくこれで押さえて心臓よりも上に持ち上げとけ。
(彼は腰で帯の役割をしている紺色の手拭いをほどき、血が付くのも気にせず指先に巻いてくれた)
(そして救急箱を持って来ると言って洗面所を後にする)
(怒られると思ったけれど、予想以上に心配させてしまったようだ…)
オミ、接客中だったのに、ごめんなさい…大怪我じゃないから大丈夫