いいよ。こちらにおいで。
どうせなら髪を梳かしてあげようか。
(ひとり用の豪華なソファに座るユラの膝に腰を下ろす)
(一通り毛先をほぐされ、次は真ん中あたりから、最後は頭頂部からと丁寧な梳き方をしてくれる)
(心地よさに目を瞑っていると、ふいに側面の耳にユラの指が当たった)
おや、すまないね。痛くは無かったかい?
(彼の指が耳の縁をなぞり上げる)
(ゾクゾクとした感覚に耐えながらも、人間の耳が生えていることに驚かないユラが不思議に思えた)
(皆と違うということを知りつつ、あえて触れずにいてくれているのだろうか…)
ユラ様…私には何で人間みたいな耳があるの?