フフ、手持ち無沙汰になってしまったのかい?
すまないね。この書類の記入が終わったら少し時間を作ろう。

(ユラの耳は手触りも毛並みも皆と変わりないのに、やはりどこか冷たく無機質な印象を受ける)
(触っていても違和感の正体は分からず、腕も疲れてきたため手を引っ込めた)

(…?)
(引っ込めた手の小指に、何かが引っかかったような感覚があった)
(顔の側面、妖狐には何も無いはずの部分に何かがある)

…どうしたんだい?狐につままれたような顔をして。

(正面から見たユラは、妖しい笑みをたたえていた)

ユラは人間なの?