そういえば今日はバレンタインデーだったね。
今までの館は男所帯だったし、異性との関りはあまり多くないから忘れていたよ。
…とはいえ、君が厨房で作業をしている時から期待していたと言ったら呆れるかい?
ちなみにこれは…そう。感謝の気持ち、ね…。

君にそういった思いがあるというのなら、このチョコを食べさせてはくれないだろうか。
生憎今は手が離せなくてね。書類にチョコなど付けてしまえば今まで積み上げてきた威厳が損なわれてしまうだろう。
だからほら…おいで、新入り。

(妖艶な誘惑には勝てず、彼の傍に寄りチョコを取り出そうとする)
(が、ユラがこちらの腰を引いたことにより彼の膝の上に座らされてしまった)
(自分より目線の低くなった彼は、こちらをじっと見つめ視線を逸らそうとしない)
(感謝の気持ちなどどこかへ飛んで行ってしまいつつも、チョコをひとつまみしユラの口元へと近付ける)




…そうじゃないだろう?