、…ああ。

(セイは一瞬目を見開いたものの、淡々とした様子で両腕を差し伸べる)
(かなり高所から飛び降りたつもりだったが、受け止め方が良かったのかそこまで衝撃は感じなかった)

……。

(感謝の言葉を述べ降ろしてもらおうとするも、彼はこちらに視線を送るばかりで屈む様子はない)
(何か物言いたげに口を開くが、声を発することなく再び閉じられる)
(…?)

…(すり、)

(彼の整った顔が近づいてきて額同士が重なり合う)
(じんわりと伝わってくる彼の体温は熱でもあるのかというほど温かかった)
(しばらくして満足したのか彼は瞼を開き、こちらの体をゆっくりと地面に降ろしてくれた)

あまり危険な真似はしないでくれ。
自信こそあったものの、お前の体に触れるまでは生きた心地がしなかった。

(彼の豆だらけの手のひらが壊れ物を扱うようかのように頬へと触れる)
(もしかしたら表情に出ないだけで、ものすごく心配させてしまったのかもしれない…)