今晩は泊りがけでユラ様と共に視察に向かう日だったか。
生憎俺とツキは別件があり護衛にあたることが出来ない。…。
お前にとっては慣れない土地で、見るもの全てが真新しく新鮮に感じられるだろう。
ユラ様がついてくださっているとはいえ、自分の身は自分で守る覚悟を持ち、周囲への警戒を怠らないよう心掛けてほしい。

……。

(セイはおもむろに目線を下げると、こちらの手を取り念じるように両手で握りしめた)
(少々大袈裟な気もするが、それだけ心配してくれているのだと思い胸が温かくなった)


(翌日)