…つまり味覚というものを科学的に理解し、調理へ生かしたらどうかということか。
お前の言う通り味を数値化すれば、タキの調合する薬のように全く同じものが作れるはずだ。
だがそれでは俺が作る意味が失われてしまう。
俺自身が美味しいと思ったものを、相手にも食べてもらいたい。
この感情自体は、作り手として間違ってはいないはずだ。

(遠回しに受診を勧めてはみたものの、なぜか料理への熱い思いを語られてしまった)
(セイの言いたいことも分からなくはないが、まずは自身の味覚音痴をもっと深刻に捉えてほしい)