それは言わずもがな、もちろん彼の方だろう。
妖力を持ち合わせない一介の妖狐がどうやって常夜一を押さえ込むというんだい?
妖具如きで対抗することができたなら、彼は師匠業を生業とする前にこの世を去っていたはずだ。
私は決して肩書きや評判だけでツキとセイの指導を頼んだわけではない。
我が子のように大切に思っている者たちの将来を、己よりも弱い妖に委ねるわけがないだろう?