(などと落下中に宣言するつもりだったが、想像以上の浮遊感と高低差に声を発することができなくなってしまった)
(このまま地面に体を打ち付けるのだと悟った瞬間、体の側面に衝撃が走る)
(恐る恐る目を開けると…顔を隠した姿のシユがこちらを見下ろしていた)
(灰色がかった薄茶色の目には、軽蔑の色がありありと浮かんでいる)

…君がここまで馬鹿だとは思わなかったよ。

(こちらを抱いたまま木々を伝い地上へと降り立った彼は、感情を押し殺したような低い声でそう呟いた)
(彼が助けに来なければ今頃…)

ご、ごめんなさい…