おい、なんでこんなに冷たくなるまで放っといたんだよ。
女は体冷やすといけねぇんだろ。ったくこれだから若ェヤツは…。

(体を引き剥がした彼は無言で立ち上がり、のれんをくぐって奥へと下がっていってしまった)


…ん。これでも羽織っとけ。不格好だけど無いよりマシだろ。

(数分後、オミが持ってきたのは落ち着いた色の着物だった)
(明らかに大きいそれを羽織ると、かすかにオミの匂いがした)
(少し地味だが、彼の私服なのだろうか…)

えへへ……オミの匂いがする