(雪の積もった庭先にて、寒さで頬を赤らめながらも剪定をしているイロに近付きマフラーを広げる)
(背が高いので角に引っかかったり尻尾にぶつかったりと苦労したが、何とか一周することが出来た)

こ、れは…新入りさんのマフラーですか?
もしかしたら汚してしまうかもしれません。解いても…あ、あの…。

(イロの言葉は聞かなかったことにして、先が垂れないようグリングリンに巻いてみた)
(髪の毛がきのこのように膨らみ、目元しか見えなくなった表情に思わず笑みが零れる)

…温かい、ですね…。
これなら垂れることもなさそうです。
しばらく借りていても、いいですか…?

(素直に受け入れたあたり、相当寒さが堪えていたのかもしれない)
(いいよと頷くと、ほんの少しだけ目元が緩んだ気がした)
(見えない口元は、どのような表情をしているのだろう…)

いいこいいこ