…(練習場に来ていたなら一声かけてほしかったのに。またふたりきりで話し込んでいたんだ。
目的は僕たちじゃないし、新入りちゃんが気を遣ってあえて声をかけずに居ることも知っている。
でもそれはそれで見せつけられているみたいで気分がよくない。
何を話しているのか気になるし、師匠に手を出されないかって心配になる。
…こんなことを考えているだなんて、きっと新入りちゃんは露ほども知らないんだろうな。
おとなの魅力って何。僕には生み出せないものなの…。

…あと少しで新入りちゃんが振り向く。だからもう考えるのはやめよう。
笑顔を絶やさずにいなきゃ、傍に居る特権まで奪われないように)