(前々から偽尻尾が深夜に抜け出すのを疑問に思っていた)
(朝になると胸元で丸くなっているので、そこまで気にすることではないなどと楽観的に考えていた)
(けれど偽尻尾の友達?として、もし危険なことをしていたらやめさせたい気持ちもあった)

(ある日の夜、狸寝入りを決行することにした)
(就寝してから四半刻経った後、偽尻尾は胸元からもそもそと這い出て、扉の下の隙間を潜って部屋を出て行ったようだった)
(ある程度の大きさはあるといっても、見失ってしまえばそれまでだ)
(偽尻尾に気付かれないようそっと扉を開け、音を立てないよう後をつける)
(彼は階段の手すりによじ登ったかと思うと、滑り台のように勢いよく下っていった)
(そしてぴょーんと飛び出した勢いのまま、換気用に開けてある小窓の隙間に体を滑り込ませた)
(どうやら偽尻尾は館の外に用事があるようだ…)