(シユとの密会場所として使用している茶室は、放置されはじめて三十年ほど経っているとツキから聞いたことがある)
(造り自体は頑丈とはいえ、修理や補強などしていない小さな建物がこの強風に耐えられるだろうか…)
(様子を見に行こうと上着を羽織るも、その都度偽尻尾が目を覚まし扉の前に立ちはだかり引き留められてしまう)
(心配ではあるけれど、シユが寝床にしているのはまた別の場所だ)
(びゅうびゅうと吹き荒れる風の音を聞きながら、その夜は部屋でおとなしく寝ることにした…)