Nさんは唐突にOさんに「遺言のビデオメッセージを撮りたいから協力してくれ」と言われました。
その理由は「工事現場の仕事をしていて、趣味もバイクだから、いつ大きな事故に遭って亡くなるかわからない」「万が一に備えてメッセージを残しておきたい」とのことでした。
特に深い意味もなく、気まぐれや遊びのようなものと説明を受けて、OさんはNさんの遺言撮影に協力しました。
撮影が始まると、Nさんは冗談を多く言ったり、ふざけた態度を取ることもあったのでOさんは「Nさんの言葉の通りで気まぐれや遊びだった」と感じたそうです。
しかし、その数ヶ月後にNさんはバイクの事故で亡くなってしまいます。
Oさんは遺族に遺言のビデオメッセージがあることを伝え、その動画を一緒に観ることにしました。
しかし、動画を再生すると真っ暗な画面が続き、「録画に失敗していたのか?」とOさんは心配になります。
その後、十数秒ほど経つとNさんの姿が映し出されました。
ただし、その姿は画面がグニャリと歪み、Nさんの顔も大きく歪んだ状態で映っていました。
さらに、Nさんが話し出すと「ヴゥオァァ…」「ムグィゥ…」などと呻き声のようなものをあげ始めます。
その異様なNさんの様子に動画を観た全員が凍りつき、動けなくなりました。
動けないないまま30秒ほど動画を観続けると、急に画面がまた真っ暗な状態になり、残りの再生時間は何も映っていませんでした。
このとき、OさんはNさんが無意識に「遺言を撮影したい」と言った時点で、「何者かに取り憑かれていたのではないか?」と直感したそうです。
遺言メッセージ