以前行き付けだったゲーセンは
何故だか知らないが
必ず10時には閉店してた。


大学の近くだったせいか
夜でも客が常にいた。


それでも店の親爺は
わざわざ客を追い出してまで
10時には必ず店を閉めていた。


行き付けだったせいか
俺はその親爺と知り合いだった。


ある日、遊んでいると
親爺が店を閉めると言い出した。


俺「何でいつも早く閉めるんだよー」

無言でシャッターを閉める親爺。


むかついた俺は
そんな親爺を尻目に
1人ゲームを続けた。


「終わったら帰るからもうちょっとやらせて」

とか言いながら。


しばらくして面クリアのデモの最中
ふと後ろを見ると、様子が変だ。


そこのゲーセンの扉はガラス張りなんだが

その扉にぴったり張り付いてこっちを見てる奴がいる。

シャッター閉めた筈なのに。


驚いて動けない俺の横で親爺が言う。


「こんくらいの時間になるとな
たまにああいうのが見えちまうんだ、ここは」



俺は親爺と二人
裏口から店を出た。













行き付けのゲーセン