母校の中学校の近くに、結構築年数の経ってそうなボロアパートがあったんだけど、

俺が実家を出て、上京している間になにがあったのか廃墟になっていた。

どうやら誰も住んでいないらしいんだけど、

帰省中にふと廃墟アパートのベランダに洗濯物が干してあるのに気づいた。



家に帰って、そのことを家族に話したんだけど、反応はあんまなかったから

自分で、誰か住んでるんじゃないかとアパートの所有者に連絡したんだ、おせっかいだけど。



そしたら今から見に行くってことになって、同行した。

所有者のおじさんと、俺と地元の友人3人でその部屋に入った。

幸い鍵は閉まってなく、部屋の中には誰もいなかった。誰かが住んでいたような感じもしない。



ベランダには黄色いバスタオルと白い靴下が干されていて

「なんだよイタズラか?」と笑いながらバスタオルを取り込むと

友人が「うわぁあああ」と大声を出した。



タオルを見ると、裏側にびっしりと焦げ茶色の何かがついていた。

それはよく見れば赤黒く、血だった。ずいぶん時間が経っているような。

3人とも何も言わず黙り込んだ。

本当に全身鳥肌が止まらなかった。















洗濯物(怪談)