俺がまだ小学3年の時、
二学期あたりに同じ市内に引っ越したんだよ。
引っ越したてでまだ転校もしないから、
前の家の近くにあるほうのオモチャ屋に、
小遣いを貯めてビーダマンを買いにいった。
んで、買った帰りは
「やった!早く帰ってあそぼ!」
と思って、
川と川に挟まれた地面が土の道を通ったんだ。
道幅は4mくらいかな、
夜中はまったく前が見えない程暗い部分がある。
子供ながらに怖い感覚はあったんだけど、
引っ越し先まではほとんど一本道だったから、
そこを通って帰ることにした。
夕方あたりかな、
多分3~4時の間だと思う。
小さなマウンテンバイクに乗って通ってたら
視界の右側に着物の女の人が見えた気がした。
でも俺の右側には川の深い方(谷みたいになってて5mくらいの深さ)があるから
人がいるわけないんだよ。
振り向いてみたら川の上の空間に女が立ってて、
こっちみてた。
怖くて立ち漕ぎで帰って、
家に帰ってすぐに怖さも忘れて遊んでた。
後日談。
親が言うには
俺は癌で死んだばぁちゃんに守られてるらしい。
んで、その話を聞いたあとに女の顔を思い出したら、
少し若いけどばぁちゃんに似てた。
川の女