昔、古い農場に建てられた家で暮らしていた時期がありました。私の部屋には、屋根裏に続くドアが付いていたのですが、毎晩寝るときはドアも鍵も必ず閉めていました。

それなのに、ある朝、ドアが少しだけ空いていたことがあったんです。その晩、金縛りで目を覚ますと、麦わら帽子をかぶった真っ黒な影のような者が私の部屋の中を歩いていました。

私をじっと見つめた後、部屋の外へ歩いていきました。部屋の入り口にはビーズのカーテンをかけていたのですが、その暗い何かがビーズに当たった音は今でも覚えています。

私は話が大袈裟と言われがちだったので、この時の話はなんとなく家族の誰にもしていませんでした。しばらくして、いとこが泊まりにきて、私の部屋で寝ることに。

私はお客さんであるいとこに部屋を譲り、リビングで寝たのですが、翌朝いとこは「部屋で寝ていいよ。私がリビングで寝るから」と。

母が理由を聞くと、夜に金縛りにあって黒い影のようなお化けを見たというのです。いとこの話は、まさに私が見たお化けと瓜二つでした。

数年後、その家から引っ越すことになりましたが、母がふとこんなことを言いました。寝室のドアを開けて寝ていたら、ある晩、私の部屋を何かが横切るのが見えたことがあったと。

いとこと母と私は同じ幻を見たのでしょうか。今でも、私たちが見たのはなんだったのかと恐ろしくなります。













屋根裏の幽霊