稲◯淳二の怪談で、DVDやCDには収録されていない富士の樹海の話があります。
富士の樹海と言えば自殺の名所で、毎年のように遺体が見つかる場所です。
遊歩道を歩けば安全ですが、一歩外れれば溶岩の複雑な地形と、うっそうとした原生林で、自分の位置が分からなくなります。
稲◯淳二が番組の取材で樹海に入った時、遊歩道を外れていく男を見つけました。
「おい、あいつ…」
こちらに気が付いた男は逃げるように、樹海の中に消えていきました。
「まずいぞ!」
自殺者かと思い、スタッフ総出で男を探しました。
しばらくすると原生林の奥に消えていく男を見つけ、皆で後を追いました。
やがて男の姿は消え、呼んでも返事がありません。
目の前で、これから死のうとしている男の姿を見てしまったのですから、気分は落ち込みます。
しばらくすると、スタッフの一人が
「お~い、見つけたぞ~」
と叫びました。
溶岩の大きな穴の中でうずくまっていた男を見つけたのです。
『来るな~、来ないでくれ~』
穴の中で男が叫びます。
穴の周囲に集まった稲◯淳二とスタッフは、恐ろしいものを見てしまいました。
薄暗い穴の底で、ウンコをしている男の姿を…。
富士の樹海…?