フィールドに戻った。
するとレッドと同じく、フィールド上のゴールドのドット絵が透明になっていた。
すぐにゴールドのプロフィールを確認してみると、今度はゴールドの頭だけが残り皮膚が透明になっていた。
頭の部分が少し拡大して表示され、目の部分に黒い空洞が見えた。
そしてバッジを40個持っていると書かれていた。
その後、俺は戻って自分のポケモンを確認した。
ポケモンは全てレベル20の色違いのアンノーンで、出てきた単語は「NOMORE」(『死んだ』)だった。
今ではどこか分かっているが、俺がいた場所は終わりの隣にある場所だった。
音楽は流れていないはずなのに、なぜか何かが聞こえてくるような気がした。
俺はワカバタウンの自分の部屋に戻っていた。
やっとこのゲームをちゃんと遊べるようになったのかもしれないが、まあそんな事はもちろんなかった。
例の趣味の悪いクソ野郎が何かしたに違いない。
階段を降りて確認するのは少し怖かったので、俺は物に触れようと部屋の中を「歩いた」。
「歩いた」と言ったのは、背景は動いているもののゴールドは透明な手足を全く動かさず、ダイヤモンド・パールに出てくる幽霊のようにただ浮いていたからだ。
案の定ラジオもパソコンもテレビも動かなかったので、仕方なく階段を降りることにした。
俺は同じ家の下の階にたどり着いた。
お母さんがいないことを除けば、すべて普通に見えた。
この部屋では何もできなかったので、外に出ることにした。
驚いた事に南側の外に通じるドアは開かず、そのまま通り抜けて虚空へと入ってしまった。
いったい何が起こっているのか確かめるため、南に向かって進んだ。
虚空を南下していくと俺の家が消えてしまった。
虚空に入った時、ゴールドの透明なドット絵の輪郭が白くなり真っ暗闇とのコントラストが不気味だった。
やがて白い場所にたどり着くと、ゴールドのドット絵の輪郭は再び黒になった。
俺は立ち止まることなく南へと進んだ。➡️
ロストシルバー9