読み込み中ではなく、暗い部屋に居たからフラッシュが必要だとすぐにわかった。
その前にラジオの音楽をもっとマシなものに変えようとすぐにポケギアを確認したが、ラジオカードはおろか、電話や時計機能も無かった。
あるのはマップカードだけで、そこにはゴールド(さっきから話している『...』のことだが、これからはゴールドと呼ぶことにする)が闇の中をただ歩いているだけだった。
ヒノアラシはフラッシュを覚えていたから、ポケギアの電源を切ってヒノアラシにフラッシュを使わせた。
「HURRYはフラッシュをつかった!」などのメッセージは出なかった。
部屋が明るくなったが、すぐに後悔した。
部屋はぞっとするような血に似た赤色で、南に向かって直線の灰色の通路が続いていた。
俺が使ったハシゴはそこには無かった。
仕方なく南に向かった。
20歩進むごとに画面が暗くなっていき、最後には看板らしきものが出てきた。
看板を読んでみると、「すぐにひきかえせ」と書いてあった。
突然「はい」か「いいえ」の選択肢が出てきたが、質問はされなかった。
何を聞かれているのかわからないので「はい」を選ぶと、ハシゴを登った時に出る音を立てながら再び画面が真っ暗になった。
アンノーンの音楽が止まり、数秒後にはさほど不気味ではないポケモンのふえのラジオ放送に変わっていた。
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ロストシルバー5