まず第一にトレーナー情報を確認した。そいつの名前はただ単に「...」だった。
どうやらあまり独創性の無いやつだったらしい。
俺はプロフィールをチェックした。
記録はプレイ時間999.99時間、バッジ16個全部、99999.9円、そしてポケモンずかんには251匹全ていた。
ミュウとセレビィも持っていたから、当時の俺は前のやつがチートを使ったかガチのポケモンプレイヤーのどちらかだと思っていた。
俺はこいつがどんなイカしたパーティを組んでるか見ようとポケモンを見た。
驚くべき事に、そこには5匹のアンノーンと「HURRY」(『早く』)という名前の6匹目のポケモンがいた。
俺はこれを最後にこのゲームをプレイしたやつの酷い冗談かと思った。
とにかく、ポケモンのプロフィールを見る事にした。
予想通りアンノーンはそれぞれ姿が異なり、全部レベル5だった。
当時の俺はアンノーンのアルファベットに少し自信がなかったが、綴られた単語が「LEAVE」(『去れ』)であることを確認した。
6匹目のポケモンはヒノアラシだった(まだポケモンの種類ごとに個別のアイコンが無かったころの話だ)。
見た目は普通だが、レベル5でHPが1しかなく、技も「にらみつける」と「フラッシュ」の2つしか無かった。
なぜ「HURRY」という名前がついているのかは分からなかったが、当時は気にしなかった。
一番不気味だったのは音量を最大にしていたにもかかわらず、連れていたポケモンたちが1匹として通常の鳴き声をあげなかったことだ。ただの沈黙だけだった。
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ロストシルバー3