(スタンド使いと戦うせいで、仗助は生傷が絶えない)
(今日もどこかで作ってきたらしい傷を止血していると、仗助がぽつりと呟いた)


仗「子猫さん…

おれのスタンド、何だって直せるけど、自分の怪我だけは治せないって前に言ったことありましたっけ。
今までは正直ちょっと不便だな、でも自分しか治せないよりはいいか、と思ってました。


…だけど、不謹慎かもしんないっスけど…

今初めて、自分を治せないスタンドでよかったって感謝してる」


(傷口に丁寧に包帯を巻くあなたの手元をじっと見つめながら、熱に浮かされたような声で仗助は続けた)


仗「子猫さんがおれのこと心配して、こうやっておれに触れてくれるのが嬉しいんだ。

おれのことを特別好きって訳じゃあなくっても、子猫さんがおれのこと考えてくれてるってだけで幸せなんだ。


…子猫さん、好きです。」


(今までも何度か言われた、聞き慣れた言葉だ)
(いつもはありがとうとだけ言って有耶無耶にしてしまうが、いつになく真剣味を帯びた声に少しだけ身構えてしまう)

(処置が終わり手を離そうとすると、引き止めるように大きな手が重なる)
(思わず顔を上げると、愛おしくてたまらないとでも言いたげな表情であなたを見つめる仗助がいた)

(そこにいたのは年下の可愛い男の子でも、背伸びしたい年頃の男子高校生でもなく、恋に焦がれる一人の男だった)


(真っ赤になって顔を隠す)

「自分しか治せないよりはいい」なんて、仗助くんは本当に優しいね

仗助の傷の手当てをする