仗「あっ子猫さーん!!
こっち!こっちっスよー!」
(カフェの前を通りかかると、テラス席から元気な声で呼び止められた)
仗「今帰りっスか?時間あるなら一緒にお茶していきません?」
(促されるまま席につくと、珍しく仗助一人だけのようだ)
(いつものみんなで来たらしいが、康一は塾、億泰は形兆におつかいを頼まれていたらしく、先ほど二人とも帰ってしまったのだという)
仗「おれ一人だけ取り残されちまってついてねぇなーとか思ってたけど、子猫さんに会えたから今日はいい日っスね!
放課後なのに勉強するハメになったのも、このラッキーのための試練だった訳っスね!」
(仗助の前のテーブルにはノートや参考書が広げられていた)
(彼の風貌にはとても似合わないその光景に、思わず首を傾げてしまう)
仗「え?
そうなんスよ、珍しくお勉強タイムなんス。
もうすぐ試験なんスけど、『ちゃんとまともな点数とらねぇと小遣い減らす』ってお袋から脅されてるんスよねェ〜ッ。
さっきまで億泰と一緒に康一に勉強見てもらってたけど、康一頭いいから説明が難しくて…子猫さんわかります?」
(バイトもしていない高校生にとって、親からのお小遣いは生命線だ)
(どうやら割と死活問題らしい)
仗「やっぱ勉強ってやる気起きねぇなぁ…生命線が絶たれるってのはわかってても、なんつーか…
“ご褒美”でもあればなぁ〜、なんて…」
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