プ「よぉ、子猫。
随分楽しそうじゃあねぇか?
ヴァレンタイン?
ああ、Festa degli Innamoratiか。『恋人の日』ってやつだ。
おまえの母国だと、女から男にプレゼントを渡すのが主流なんだってな。
ん?ジャッポーネに詳しい訳じゃあねぇよ。おまえに関することは何だって知りたいだけさ。
こっちでは逆なんだ。男が愛する女にプレゼントを渡す。
品物にも決まりはねぇ。こんな薔薇の花束だったり、ドルチェだったり…下着なんてのも贈ったりするぜ。流石にそれはまだ早ぇから自重したがな。
いつでも最高に綺麗な、オレのアモーレに感謝と敬意を」
(話しながらプロシュートは、左手に抱えていた薔薇の花束をふわりと差し出してくれた)
(あなたが受け取ったのを確かめると、スーツの内ポケットに手を入れて、可愛らしくラッピングされた小さな箱を取り出した)
プ「シニョリーナ、こいつを受け取っちゃあくれねぇか?
おまえのためだけに誂えたんだぜ。開けてみてくれ。
これをつける時、いつでもオレのことを思い出してもらえるようにな。
もし気に入らなかったら、好きに処分して構わねぇ。他に気に入るものを探すまでだからな」
(赤いリボンを引いて箱を開けてみると、薄くピンクに色づいた小瓶が入っていた)
(香水のようだ)
(ふわっと漂った香りは、甘すぎずしつこくもない、爽やかなフルーツのような香りだった)
プ「香水は好みが分かれるが、オレはその香りがおまえに似合うと思ったんだ。
オレに会うために可愛い格好をしてきてくれたんだろ?その愛らしさが一層際立つように。
愛してるぜ、オレのアンジェーロ」
(髪をひと房掬われ、そっと口づけられた)
(物凄く戸惑いながらも、日本での習慣であるチョコレートを渡すと、とても喜んでくれた!)
(バレンタイン2021)
カオスバレンタイン20215部