(信じる)
(◯◯は、そう言って信じてくれた)
(自分だって大変な時だというのにここまで足を運び、話を聞き、真剣に考え、そして本心から自分のことを信じると言ってくれた)
(嬉しかった。…どうしようもなく、その上もなく嬉しかった)
(ーーだからこそ、怖くなった)
(今までは本心が聞こえないからこそ、普通の人と人として付き合ってこれた。けれど何故か心の声が聞こえるようになってしまった今、これまでと同じ関係が築けるとはどうしても思えなかったのだ)
(◯◯のことを疑いたい訳じゃない。だけどどうしても、かつての嫌な記憶が脳裏を過るのだ)
(友達に、母親に。こちらを傷付けかねない本音を優しい嘘で包まれた瞬間のことを)
(◯◯が優しい人物だということはよく知っている。自分自身が理解している)
(だからこそいつか訪れるかもしれないその瞬間を思ったら、そしてそれで自分が彼女を傷付けてしまうかもしれないと思ったら、もう駄目だった)
(自然とメッセージが見れなくなった。電話が取れなくなった。インターホンに応じることが出来なくなった)
ごめん、◯◯…!
ごめん…っ
(頭を抱え、真はうずくまる)
(かつては安寧で満ちていたはずのひとりきりの世界は、ただただ寂しく空虚なものでしかなかった)
記憶喪失バッドエンド:君を信じたい、だからこそ怖い