(どうやら自分は事故にあったらしい)
(伝聞調なのはその時の記憶諸共、いろんな記憶を失ってしまったためだ。言語や一般常識などは覚えていることと、怪我自体は大したことなかったのが不幸中の幸いだった)
(病院から帰宅後、文鎮と化していたスマホを充電して電源を入れてみる)
(着信やメッセージが色々と届いているようだ。が、どの名前にも見覚えがない…)
(返事をすべきか迷いつつもスマホをいじっていると、ふと目に止まる名前があった)
(聞川真)
(読みは恐らく、きくかわまこと)
(これは自分の親を名乗る人が口にしていた名前だ。確かお隣さんだとか言っていた気がする)
(この聞川真が自分の聞いたきくかわまことと同じかどうかは分からない。が、知らない名前ばかりが並んだ中にあった聞き覚えだけはあるその名前に、妙に引きつけられてしまったのは事実だった)
(トーク画面を確認してみる)
(自分と聞川真は結構な頻度でやり取りをしていたらしい。仲も良かったのか、自分は聞川真の家に何度も遊び行っていたようだ)
(何気ないやり取りをしばらく眺めた後、直近のメッセージを表示してみる。一番新しいものは、自分が事故にあったという日よりは後に届いたものだ)
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